暮しの手帖７８　１０ー１１月号　佐藤雅彦さんのエッセイが面白い。

暮しの手帖 4世紀78号

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暮しの手帖社 (2015-09-25)

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子どもの頃いろいろなものを分解して、親に叱られたという話しを聞くことがある。

今でも新しいiPhoneが出ると分解して楽しんでいる人がいる。分解という行為は、わくわくする行為だ。

今日読んだ暮しの手帳７８　１０ー１１月号に大学教授の佐藤雅彦さんが「考えの整頓」というエッセイを書いている。毎回楽しみにしているのだけど、今号の「トースターは誰が発明したのか」というエッセイもかなり良かった。

佐藤さんの授業で、年に一回「分解ワークショップ」と呼ばれる授業がある。それは電気器具を分解し、その機能がどう実現されているのかを探求する授業らしい。そこは授業だからただ分解して終わりではないらしい。

今年はそこでトースターを分解することになった。そこで佐藤さんは学生たちにこう言う。

「面白いからと言って、やみくもに分解しないように。まず、この器具がどのようにその役割を果たしているか、想像しなさい。そして、解き明かしたい謎を見つけてください」

そしてトースターを観察する。観察すると様々な機構やレバーやボタンなどがあり、何のためにそのような機構になっているのか、どういう仕組みなのか分からないものがあった。佐藤さんはここで仮説をたてる。そして仮説を検討して行く。最後に仮説と機能を確認しながら、トースターを分解する。

こんな授業は楽しいだろう。佐藤さんの下で勉強している生徒は考える事がたくさん合って大変そうだが、楽しそうでもある。機械や道具には、工夫や仕組みがほどこしてある。それには一つ一つ理由があり、無駄なものはほぼないと言っても良い。そういうものを分解して、一つ一つの工夫や仕組みを確かめ、なぜそのような作りになっているか考える。想像しただけでもわくわくする。こんな大人の理科？教室があったら行きたい。

実際に使ってみて、なぜこのような機構やレバーがあるのか、仮説をたてる。佐藤さんは簡単に仮説を立てていたけど、学生たちは仮説を立てる事自体が難しそうだった。仮説を立てるという行為は難しい。当たり前だと思って享受してきたものは、疑問すら持つこともできない。それでは仮説をたてることができない。トースターの分解授業だけに関わらず、日頃接している考えについてもそうだろう。いま当たり前にやっていることを、一度振り返って考え直すことは大事かもしれない。

暮しの手帳はエッセイが面白い。どのエッセイも丁寧に書かれていて勉強になる。興味深い。今号は向井千秋さんの話しが面白かった。

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