2016年ナンバー1小説。愛のようだ 長嶋有
最近自動車の車線変更がスムーズに出来るようになった。それまでは出来るかぎり車線変更をしなかった。どうしてもする必要があるときは、首をまげ視線を130度くらい移して安全を確かめてから、車線変更をしていた。
ずっとペーパードライバーだったから、サイドミラーを使い方がよくわからなかった。サイドミラーを使えば、車線変更が簡単にできるのを知ったのは最近だ。運転の苦手な妻にそのことを話すと、「サイドミラーはあまり見ない。いつ使うの?」と言ってた。すべての自動車が自動運転になるのが待ち遠しい。
2016年に最初に読んだ本は、自動車免許を取得した40代の男の話しだった。
物事を知る前と知った後では、その人の考え方や行動が変わる。そう、この本の主人公のように、自動車の免許をとった後は、とる前のその人ではない。
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人生というのは、小さな変化の連続だ。その変化が人間を少しずつ変えて行く。そんな機微の変化を一つずつ丁寧に書いている小説だった。
人と自分との関係も、会えば会うほど、話しをすれば話しをするほど、少しずつ変化していく。物事はとどまることをしらない。諸行無常だ。
人生は時に「見開き二ページ」になるし、道のルールに思い致すことになる。後ろで寝ていた男の考えていることは分からない。隣りの人は昨日父親が死んで嘆き悲しんでいるのかもしれない。
小説の書き出し、冒頭が良い。こんな良い冒頭の小説はあまりない。気になる方はぜひ読んで欲しい。
良い小説を読んだ。
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