人は「無意識」に支配されている。あなたの決定の理由は後付け。
あなたがその商品を選んだ理由は明確ですか?
自信をもって説明できますか?
その自信は後付けで、実は気づかない要素に影響されていたかもしれません。
「しらずしらず――あなたの9割を支配する「無意識」を科学する 」(レナード・ムロディナウ著、水谷淳訳、ダイヤモンド社)」を読むと無意識が人間の行動を支配しているとわかります。
レナード・ムロディナウさんは前著「たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する」は世界的なベストセラーになりました。その著者が分かりやすく、無意識についての研究結果をまとめています。
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無意識に買ってしまう
例えば、、、
人はジャンクフードを買うときに、実際の商品をみせられると、文字や絵の表示から選ぶ場合よりも40から61パーセント多く金を出すことが示された。アクリルガラスの向こうに商品が置かれていて実際に手に取ることができないと、金を出す意欲が文字や絵のレベルまでに下がる。
青と黄色の箱に入っている洗剤のほうを高く評価する。
ドイツのビアホールの音楽がBGMで流れると、フランスワインでなくドイツワインを買ってしまう。
好きな匂いのするシルクのストッキングの品質を高く評価する。
などなど、
このように、商品を選ぶときには、本人も気がつかない様々な影響を受けています。
自分の意識がなくても、選ばされているときがあるのです。
面白かったのが、
「ペプシパラドックス」
ペプシパラドックスとは、いつも見ているブランドを好きになってしまう効果です。
ブラインドテストではつねにペプシがコカ・コーラに勝つのに、何を飲んでいるかわかっている場合にはコカ・コーラのほうが好まれます。
なじみのブランドの商品をじっと見たときに経験する好意的な感情があることがわかった。人は値段やブランドなどの暗黙の側面の影響を受けて、味覚などの精神的経験は作られる。
人間の脳は普段見慣れているものを好意的に受け取るようにできているようです。
毎日テレビで見る商品をついつい選んでしまいます。
人間は、知覚し、経験したことを記録し、判断を下し、行動する。
そしてこれらの営みすべてにおいて、自分では気づかない要素に影響を受ける。
その他にも、無意識事例がたくさん列挙されています。
自分のグループだけ!
グループ分け方が根拠のない無意味なものであっても、人は、全員の利益ができるだけ大きくなるような行動をとるのでなく、自分のグループを犠牲にしてまでも内集団をひいきするような行動を、間違いなく選ぶ。
スポーツでひいきのチームの反則に気づけないのです。それはわざと反則を見てみないふりをしているのではなく、好きなチームの反則には本当に気がつかない。
などなど面白い事例がこれでもかと満載です。
まとめ
人の決定は、無意識のうちに様々な決定をしています。
脳は不完全なデータを勝手に埋め合わせ、でっちあげ、それを自分が決断する時に用います。
自信満々に決断したことが、すべて見当違いであるかもしれません。
それを謙虚に受け止め、自分(の決断)をもう一度疑ってかかってみることで、よりよい決断ができます。
無意識について書かれた本ですが、そのほか行動心理学の研究結果がたくさん書かれています。
今回の記事に書いた他にも面白い事例が書かれており、読み物としてもかなり面白いです。
人は無意識にいろんなことを決断してしまいます。
重大な決断をするときなど、そうならないためにはどうすれば良いのか?ということも言及されています。
よりよく生きたいすべての人におすすめの本です。
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