渡辺和子さんの「幸せのありか」を読む。うとうとしている子どもを見ながら、涙があふれてくる。
風邪の効用
子どもが熱を出して3日目。保育園をお休みしている。
2歳になったばかりの子と一日中一緒にいると、本当に疲れる。向こうも熱が出て大変だが、ぐずぐずしている子をずっと見るのも大変だ。
幸いなことに昨日降っていた雨が止み、散歩に行くことができる。抱っこひもをつけ、散歩に出かけた。散歩の保険には文庫本を忍ばせて。
しばらくの間、二宮金次郎のように、本を読みながら子を抱っこして歩く。薄曇りの日に病気の子どもを抱っこして渡辺和子さんの「幸せのありか 」を読むと胸にしみる。うとうとしている子どもを見ながら、涙があふれてくる。
やさしい気持ちの時に、やさしい気持ちになれる渡辺和子さんの本を読むと、すぅーっと身体にしみ込むように言葉が入っていく。
1時間後
その時の「今のこの気持ちほんとだよね?」と思うようなことが1時間後にある。
その後帰宅して子どもがぐずってしまう。なぜ泣いているのか分からない。聞いても、2歳児はうまく答えることもできない。そんな子を見て、怒鳴りたくなった。
我に返って、1時間前のあの感動は何だっただろうかと不思議に思い、笑みがこぼれる。ふと「幸せのありか 」を読んでみる。1時間前より、前に感動した箇所がほんの少しだけ重たく感じられる。
同じ本を読んでも、読むタイミングで本の感想は大きく違う。あの時のあのタイミングでこの本を読まなければ、こんなに感動することはなかった。
「愛は溢れゆく」というエッセイでは、途中マザーテレサの話になる。マザーテレサに「(日本から)インドに奉仕団を派遣したい」と伝えると、テレサは
「わざわざカルカッタまで来なくてもいい。まず、あなたたちの”周辺のカルカッタ”で喜んで働く人になってください」
~中略~
私たちの周辺にも”カルカッタ”があります。 ~略~ ちょっとした優しい言葉、動作、温かいまなざし、ほほえみを差し出すことをわすれていないでしょうか。
午後は横着して、テレビがある祖母の家に行く。楽をしてもいいから。やさしい気持ちになれる余裕を持っていたい。