なぜ又吉直樹の「火花」が芥川賞をとったのか。僕の考える2つの理由。
トピック「火花」について
芥川賞のイメージは新しいものや挑戦した作品が受賞する賞だと思っていた。そして真摯に文章を書くということに向き合っている作品が受賞すると思っていた。
新しいものという観点からは、又吉直樹さんの「火花」は新しいものはない。では文学に挑戦した作品かというと、そうでもないと思う(小説の完成度は一定のレベルは超えていると思う)
ではなぜ今回火花という作品が芥川賞をとったのだろうと考えてみた。(又吉直樹さんの「火花」が良い作品であると書いたうえで書きます。)
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僕は2つの要因があると考える。
1つはやっぱりタイミングが良かったというしかないと思う。タイミングっていうのはとても大切だと思う。太宰治や村上春樹など作家が芥川賞をとれなかったのは有名だ。もし時代のタイミングや審査員の人選のタイミングが良ければこの二人はとっていたと思う。逆になんでこの作品が芥川賞なの?って思うものもたくさんある。(芥川賞の作品全部読んだ訳じゃないけど)
2つ目は、又吉直樹さんの作品には、小説の中身以外の様々な物語があったから受賞したと思う。それはお笑い芸人。ベストセラー、三島賞落選などの作品以外の物語があったということ。作品とは純粋に作品だけを評価するものではないと思う。ちょっと前に耳の聞こえない作曲家が作った交響曲がヒットした。耳が聞こえていようが、聞こえていまいが作品は同じだけど、やはり僕は、聞いたときの感動は違うと思った。僕がゴッホの作品やピカソの作品を見る時、絵以外の何か物語を意識しながら作品を見ている。(ゴッホだったら生前の不遇の物語だったり、ピカソだったらスペイン内戦のことなどのこと)
タイミングと物語。この2つってとても大切だと思う。日頃から自分のできることをきちんとやっているから、芥川賞という結果につながったと思う。もちろんきちんとやってもとれるものではないけど、本を読むのが好きな人間として、今回有名な方が芥川賞をとったのはとてもうれしい。
水嶋ヒロくんも頑張って直木賞をとってほしい。
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